線香

としひさより

先週の、ある日の朝、線香を仏壇にあげる準備をしていた時のことです。背中の方で、「ウッ」という妻の声がしました。ふり返ると、洗濯物を抱えたままの妻が立ち尽くしています。
『ハハ~ン、ネコちゃんが獲物をくわえて帰ってきたか、虫が出たな』と思い、妻のところに行きました。前方約1.5m、廊下の左隅に、ゴキちゃんが鎮座ましましていました。すぐ台所に行き、新聞紙を丸め、現場へ戻り、私のなすべき仕事を済ませ、仏壇の前に戻りました。
座ると、心の声が聞こえてきました。『たった今殺生をした手で線香をあげるの?』。もう一度手をゴシゴシ洗ってから再再度、仏壇の前に座りました。そうこうしているうちに、議会へ行く時間になりました。取り敢えず、『たった今殺生をした手で線香をあげるの?』については考えるのをやめ、通常通りの朝のお勤めを済ませ、議会に向かいました。

『たった今殺生をした手で線香をあげるの?』については、どこに心が(気持ちが)落ち着くか、しばらく様子を見てみようと思います。
(としひさ)

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