小さいころ、疑問が1つありました。お盆の迎え火の事です。迎え火は何のためにするのか?『ご先祖様の霊が迷わないように、火を焚いて目印にする為だ』と教わりました。
迎え火をする為に、当時も今も『迎え火・送り火』セットが仏具店やスーパーで売られています。そこで子どもなりに考えました。うちのご先祖様は、『あれが我が家の火だ』と、どうやって見分けるんだろう・・・疑問として残りました。ただ、子どもなりの割り切り方もしていました。『ご先祖様が帰ってきてくれるなら、それでいいや』とも思っていました。
大人になってから、迎え火・送り火には、地域によって様々な風習や宗派による考え方の違いがあること等が分かりました。それでも小さい時の疑問は疑問のままです。・・
そこで、わたしが迎え火を焚く時には、ささやかな試み(空想遊び?)をするようになりました。必ず、新聞紙を一緒に焚きます。それは、『間違わず、我が家に届けられた新聞は、隣の家に届いた新聞とは違う「色」を出して、ご先祖様を導いてくれるのではないか』という、漠然とした思いです(笑)。勿論、妻や、子どもたちがする迎え火に、口を出したことはありません。ご先祖様も笑いながら帰って来てくれていると思います。
(としひさ)