五穀豊穣

としひさより

地元の神社(鉾(ほこ)神社)で、春の大祭がありました。「春の大祭は五穀豊穣を予祝する(あらかじめ祝う)お祭りで、五穀は米・麦・あわ・きび・豆だが、五穀豊穣という時は穀物全部を指す」と、地区に住んでいる長老が教えてくれました。「すごいですね(何でもよくご存じですね)」と言うと、「こんなの常識じゃ」と返ってきました。もう一度五穀を聞き直し、しっかり覚えました。

わが家も、わたしが小学生のころまでは兼業農家でした。お米を作っていました。休みの日は父、母、祖父母、おじさん、おばさん総出で田植えや稲刈りをしていました。わたしも「猫の手よりもいい」と言われ手伝っていました。美味しかった『こびり(おやつや間食という意味の方言。大分県や岩手県などで使われているそうです)』など、思い出がたくさんあります。

『わが家のあぜ(田と田の間の仕切り。あぜ道)』も思い出の1つです。普通は土を水で練り、コンクリを壁に塗る要領で田と田の間の仕切りに塗り上げ、田んぼに水を入れた時に水が染み出ないようにします。中々面倒な作業です。
『わが家のあぜ』は水で練った土ではなくビニールでした。ビニールハウスの古くなったビニールをもらってきて仕切りにかぶせ、前後左右を土で押さえて終わりです。普通の1/4くらいの労力と時間で済みます。わが家の発明品でしたが、最初は近所の方々から、「何じゃアリャ」と言われていたと、笑いながら父が話してくれました。新しいアイデアを試してみたくなるのは我が家の気風かもしれません。
(としひさ)

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