おせったい

としひさより

コロナ禍で中断していた『御接待(おせったい)』という行事が再開しました。
御接待とは 
2.「弘法大師(空海)の入定(にゅうじょう*1)日に、客に料理や菓子をふるまう行事。山口や大分などで見られる。(デジタル大辞泉)」
(1.には、「四国八十八カ所を巡る遍路に、茶菓や食事などをふるまったり、宿を提供したりする風習」という説明がありました)

わたしが住んでいる大分市 葛木自治会には、8カ所の『御接待の場所』が設けられました。袋を持って、家族や友達たちと一緒に御接待の場所を巡ります。それぞれの場所で、お菓子などがふるまわれます。それを袋に入れて持って帰ります。

わたしの住んでいる13班では、1人100円分くらいのお菓子がふるまわれます。小さなビニール袋の中に、アメ、グミ、クッキーなどの駄菓子(大衆的なお菓子)がいくつか入っているので、ふるまわれた人も何が入っているか楽しみにしてくれているようです。子どもに「好きなの選びよ」と言うと、目を輝かせて「こっちがいい、あっちがいい」と選んでいます。

御接待する人は、班長さん、副班長さんを中心に、集まれる人が『御接待の場所』に集まります。その際、班内のお地蔵さまで、移動可能なお地蔵さまにもお集りいただきます。御接待は、お地蔵さまに手を合わせてからお菓子をいただくという手順です。

なぜ御接待でお地蔵さまなのか?調べきれませんでした。わかったのは「弘法大師⇒真言宗の開祖 お地蔵さま⇒お参りのとき真言を唱える」という「真言」のつながりしか分からない、つたない謎解きになってしまいました。

謎は残りましたが、御接待の場所には、やっと歩き始めたような子どもさんからご高齢の方まで、雨にもかかわらず大勢(100人くらい)の人がきてくれました。ゴールデンウィークで帰省していた人たちもいて、「久しぶりやなぁ、元気にしちょったんかえ」など、大分弁が飛び交っていました。

閉める時間になり、「来年まで元気にしちょきよえ」という、互いをねぎらう(=互いの努力に感謝する)言葉で散会となりました。
(としひさ)

(*1)入定(にゅうじょう): 真言宗に伝わる伝説的信仰。もともとの意味は、単に「禅定(ぜんじょう*2)に入る」という意味だが、ことに弘法大師空海が永遠の瞑想に入っているという信仰を指す。(ウィキペディア)
(*2)禅定(ぜんじょう): 心を静めてひとつの対象に集中する宗教的瞑想(めいそう)。また、その心の状態。

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