学校教育の場で「生きる力」という言葉が使われ始めたのは1995年です。
それから25年間「生きる力をはぐくむ」取り組みが行われてきました。
みなさんは「生きる力」と聞いて、どんなイメージがわきますか?
体力?精神力?学力?経済力・・・?
大分市教育委員会の定義では「生きる力をはぐくむ」とは、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」、この3つをバランスよく育てることとしています。
「生きる力をはぐくむ学校教育の充実」について、大分市の取り組み
この「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」を育てるための、大分市の主な取り組みについてご説明します。
「確かな学力」を育てるための2つの取り組み
まずは「確かな学力」を育てるための2つの取り組みについて。
ひとつは、子どもたちの学習意欲が向上するための授業の改善。
もう一つは、子どもたち一人一人に応じた指導の充実です。
例えば、子どもによって理解するスピードは違いますね。
自分のペースより早い授業の進め方だとわからない単元が残り、次の学習への不安が出るかもしれない。
自分のペースより進み方の遅い授業の場合、学校の授業そのものに興味を持てなくなるかもしれない。
それが教科よっては習熟度別のクラス編成にすることで、子どもの不安が消えるかもしれない。学校の授業に関心を持つかもしれない。
また例えば子どもの分かった!という達成感を大事に、一人ひとり丁寧に学習指導をすることで、子どもたちが興味を持って授業に臨めるよう少人数制にする。そういう施策です。
大分市の小・中学校は地域により、児童・生徒数に大きな開きがあります。
習熟度別が効果的な学校もあれば、少人数で特色のある学校経営をしているところもあります。
小・中一貫教育の学校もできました。
その地域や学校の特性をしっかり見極め、児童・生徒の思いや保護者、地域のご意見を踏まえ取り組んでいるところです。
具体的な数として、習熟度別は、小学校33校、中学校は14校で行われています。
少人数制も小学校で28校、中学校では18校で取り入れられています。
また、タブレットは全小・中学校に配備されていますが、来年、令和3年4月からは一人1台持つようになります。
また、退職教職員による授業の補助や放課後の学習指導。
地域ボランティアの方による、家庭科のミシン支援や5年生のコメ作りの支援など、地域を巻き込んだ学習支援も行われています。
今年は新型コロナウイルスの影響で地域の方との交流を自粛しなければならない場面もありましたが、社会全体で子どもを育てる重要性はますます高まると思います。
「豊かな心」を育てるための取り組み
次に「豊かな心」を育てるための主な取り組みは
- 自然体験や社会体験など、多様な体験活動。
- 読書活動の推進。
- 郷土の歴史・文化・伝統を大切にする教育
- そして、心に響く道徳授業です。
この「豊かな心」を育てるための取り組みは先生ひとり、あるいは一学年だけで行うことは大変難しいです。
先生方は子どもたちに、沢山の体験活動を経験させたいと思っても、通常の授業に後れを出すわけにはいきません。
ここにも地域ボランティアや地区・校区の公民館などの協力がとても大切になります。
皆さんがお住いの地域でも、子どものための様々な体験活動が行われていると思います。
「健やかな心」を育てるための取り組み
3つ目の「健やかな体」を育てるための主な取り組みとしては、
- 体力の向上と健康の保持増進。
- 児童生徒の発達の段階に応じた健康教育。
- 歯と健康づくりの推進。
- 食に関する指導
があります。
小学5年生と中学2年生を対象とした全国体力テストでは、小学性男女、中学生男女とも上位10位以内に入っています。
これまでの取り組みが、成果となって表れています。
大分市議会議員としての役割
子どもたちが、幸福でより良い人生を送ることができるよう、その土台を作る。
ひとり一人の能力や可能性を最大限に伸ばし、人格の形成を目指す。
そのために教育があります。
私たちを取り巻く環境は大きく急激に変化しています。
子どもたちが様々な変化に積極的に向き合い、周りの人たちと協力しながら人生を切り開き、新たな社会を作っていく。
すべての子どもたちが、自らの能力や可能性を最大限に伸ばせる、質の高い教育の提供が求められています。