二平方メートルの世界で

としひさより

昨夜のことです。
夕食のテーブルにつき、テレビのスイッチを入れました。それから10~15分くらい、テレビから目を離すことができませんでした。番組のタイトルは『 言葉はめぐる 』、初めて見る番組でした。25分間の番組でした。すでに、残り10~15分くらいになっていました。

小学6年生の女の子が、自分の思いをカメラに向かって話していました。彼女は、病気の治療のため、3歳の頃から入退院を繰り返しているそうです。小学3年生の時に書いた作文が、『子どもノンフィクション文学賞 小学生の部』で大賞を受賞し、昨年の春、小学5年生の時、絵本になったそうです。絵本のタイトルは『二平方メートルの世界で』。

『病室のベッドの大きさは、たて約二メートル、はば約一メートル。その周りをぐるりと囲うカーテンの中が入院中のわたしの世界のすべてで、(中略)・・・ここでわたしはいろんなことを見たり、聞いたり、感じたりする・・。(本文より)』と、表紙カバーの裏に書いてあります。テレビから流れてくる彼女の言葉に感銘を受け、きょう、書店が開くのを待って絵本を買ってきました。いま手元にあります。何度も読み返しています。

何度読んでも涙は止まりませんが、読んでいるうちに心があたたかくなりました。絵本に励まされているような気持になりました。絵本は各地の図書館や病院に置かれているそうです。きっと多くの子どもや、そして大人も、共感とともに大きな勇気をもらっているのではないかと思います。 番組は、最後は彼女の素敵な笑顔で終わりました。
絵本に巻かれた帯の表側には「たくさんのだれかが、わたしに語りかけてくれた。ひとりじゃないよって」、裏側には「生きていることのすばらしさは気づきにくいということを、わたしは知っている」という彼女の言葉が書かれています。
(としひさ)

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