とん・じん・ち

としひさより

祖母は、家の仏壇にお参りする時、お線香を3本あげていました。小さいころ、「なぜ3本なの?」と、聞いたことがあります。

祖母は、「この3本は、それぞれ『とん・じん・ち』、『とん』は際限なく欲しがること、『じん』は腹を立てること、『ち』はわがままなこと」と、易しい言葉で教えてくれました。

大きくなってから、貪瞋痴(とん・じん・ち)は仏教用語で、108つある煩悩の内の根源的な3つであること等知りました。

今は、私も祖母にならってお線香を3本上げさせてもらっていますが、『とん・じん・ち』を、『かたよらないこころ・こだわらないこころ・とらわれないこころ』(薬師寺館長であった高田好胤(たかだこういん)師の言葉)に置き換えても、祖母は笑って許してくれるかな、と思っています。
(としひさ)

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