内面の問題

としひさより

きのう、市役所へ向かう車のラジオから【ごまをする】という言葉が聞こえてきた。お世辞を言ったり機嫌を取ったりすることを、なぜ、ごまをするというのか、面白おかしく解説がつづく。通常、いい意味では使われない。ふと、考えた。『ごまをすれるに変えたら、能力になるのではないか』。内面の問題で、やっていることはどっちも同じでしょ、という声が頭の中に響いた。

『内面の問題』という言葉は、『立原正秋著 冬の旅』を読んでから、好んで使うようになった。主人公が言った言葉だと記憶している。読んだのは高校生の頃だったと思う。非行とは何か、考えさせられた本だった。また読む必要がある(保護司として)、との思いに駆られ、在庫があるか本屋さんに確認の電話を入れてみた。

「ある」との返事。文庫本か単行本か、など聞いていたら、妻が、『冬の旅 上巻下巻』を抱えて仕事部屋に入ってきた。本屋さんへの電話が聞こえていたらしい。図書館で借りて読んだと思い込んでいたが、どうやら家にあったようだ。自分の間の悪さに、笑えた。
(としひさ)

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