名前を呼ぶ時に

としひさより

わたしは、妻を呼ぶ時、『名前』で呼びます。妻の実家に帰った時は、名前に『ちゃん』を付けて呼んでいました。実家の両親が『ちゃん』を付けて呼んでいたので、わたしが呼び捨てにするのは、何となく憚られ(はばかられ)(*1)たからです。実家の両親が、わたしの『呼び捨て』を気にしたかどうかは分かりませんでしたが。わたしの内面の問題(*2)だと思っています。

我が家の娘むこさんは、娘の名前に『さん』を付けて呼びます。娘に聞いたところ、普段、『さん』は付かないそうです。『さん』が付くのは、わたしたち家族の前だけのようです。わたしも妻も、娘には『ちゃん』も『さん』も付けません。婿さんの『呼び捨てハードル』は、妻の実家より、我が家の方が低いのではないかと思われます。
そこで、「もし、娘むこさんが、『さん』をつけずに娘を呼んだらどんな気持ちになるか」、無理やり想像してみました・・・・・。「婿さんが、家族の前で娘を呼び捨てにする」というイメージが湧いてきません。やさしい気づかいを沢山してくれる婿さんです。

『婿さんの娘の呼び方』だけでも、少し気にする親、大いに気にする親、気にしない親、親近感を持つ親など、様々な思い・価値観(*3)があります。人の数ほどあるのではないか、と思います。

わたしは、自分の『考え方・価値観』を、「妻には認めて欲しい」と、人一倍強く願う人間でした。若かった頃、妻と出会った頃は、その思いが特に強かったと思います。
逆に、『妻の価値観・思い』を認める努力を怠っていたと思います。その頃、わたしの心のどこかには、「好きなもの同士が一緒に暮らしていれば、お互いの価値観も一緒になるのではないか。価値観を一緒にしたい。それも自分の価値観がベースで」という思いがありました。随分、わがままで、一方的な思い・考えでした。妻に、つらい思いをさせたと思います。

いまは、自分の価値観の押し付けはやめ、妻の価値観はそのままに尊重することが大事だと、自分に言い聞かせています。
(としひさ)

(*1)憚られる(はばかられる):気を使って遠慮せざるを得ないこと
(*2)「内面の問題」という言葉を使った過去のブログ
7.2『内面の問題』11.14『水滸伝』
(*3)「価値観」について触れた過去のブログ
8.11『価値観』9.25『保護面接』8.29『蝉』8.7『扇の的』
7.9『最後の講義(2)』4.14『固定観念』3.14『子ども科学電話相談で』

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