自然な風景

としひさより

小学校1年生の時、左ひじを複雑脱臼骨折(ふくだつ だっきゅう こっせつ)しました。自分の不注意でした。2度手術しました。可動範囲は今も曲げて90度、伸ばして120度です。シルエットはいつもブーメランです。

小学校のとき「前へならえ」をどうするか悩みました。「左手もあげるか、右手だけですませるか」、一人だけ勝手に「小さく前へならえ」をしていました。左手が伸びなくて恥ずかしいという気持ちはあっても嫌だという気持ちはなかったと思います。一生懸命治癒への努力を重ねてくれた両親と、「ひじ、どしたん」「へぇ」で終わらせてくれた友だち(伸びないことをからかわれたり、原因でいじめられたりした記憶はありません)のおかげだと思います。小学校から中学、高校とも「伸びなくてカッコ悪いけど、マッいいか」といった感じだったと思います。

伸びないことを全く意識しなくなったのは妻と出会ってからです。そして子どもたち。自分の恋人・夫、自分の父親の左手が伸びないことは、彼女・彼らの中では自然の風景のようです。

ある年の選挙前、HPに載せる動画をみんなでチェックしていました。わたしが「左手がチョット気になる」と言うと「どうかしましたか?」「どうかした?」という言葉とともに不思議そうな顔をされました。
(としひさ)

タイトルとURLをコピーしました