市長から、「大分市城址公園内の西側土塀(市役所側の土塀)復旧工事費1億3,000万円」が、9月議会(令和5年第3回定例会)に提案されてきました。
公園内の塀(へい)の一部が、今年6月30日~7月5日にかけての大雨で崩れてしまいました。また、台風6号(8月9日~10日にかけて大分に接近)の影響で、新たに白壁の一部がはがれてしまいました。それらを要因として、さらに土塀が崩れる恐れがあることがわかりました。対策として、西側土塀約60m全体に復旧工事を行い、文化財の保護・保存を図りたいという提案理由でした。
文化財の保護・保存に意義はありません。予算書を見て2つ疑問が湧きました
(疑問1)
修復する『塀(へい)』は県の指定文化財。その、県指定文化財を修復するのに、県からの補助金が1円も出ていない。提案されてきた予算の内訳は、国からの補助金9,100万円と国からの借入金3,900万円。
県も復旧のための費用を出すべきではないか?
≪担当課からの回答要旨≫
県からの補助金について県と協議した。結果、『国の災害復旧に関する補助金』を利用した方が県の補助率より全体の補助率(*2)が良く、市の持ち出しが少なくなる。国に申請し、国から9,100万円(補助率70%)の補助金を受ける手続きを県と一緒に進めている。
(疑問2)
土塀60mの復旧工事に1億3,000万円は、お金が掛かり過ぎる?
≪担当課からの回答≫
府内城址(ふないじょうし*1)は、江戸時代の伝統工法を今に伝える貴重な文化財。現在の工法により塀の復旧工事を行えばもっと安価で済むが、構造調査をしたうえで、当時の工法(伝統工法)により工事を行い、文化財としての価値を持たせ、後世に文化財として伝えていきたい。
予算を議会で認めるか、認めないか、修正して認めるか、今後文教常任委員会で審査され、9月26日の9月議会閉会日に議員全員で判断することになります。
(としひさ)
(*1)府内城址: 城址公園内の府内城の遺構(宗門櫓(しゅうもんやぐら)、人質櫓(ひとじちやぐら)、堀、塀(へい)、石垣)
(*2)全体の補助率: 大雨と台風で崩れた部分の補助率と、今後崩れる恐れがある部分の補助率を合わせた全体の補助率。