猪突猛進

としひさより

「ドッドッドッドッドッ」重低音の、地鳴りのような音が、谷の底の方から聞こえてきました。谷を見下ろすと、複数のイノシシが、左から右に、アッという間に通り過ぎていきました。大分市の高尾山自然公園を歩いていた時のことです。

公園は、自宅のすぐ近くにあります。車で7~8分の距離です。ここのところ何年かは、選挙が近づくと、体力づくりの為、時々走り(歩き?)に行っています。高さ128mの高尾山を中心に、広さが60㌶あります。60㌶は、甲子園球場15個分以上の広さです。日本の都市公園100選にも選ばれている自然豊かな公園です。1986年(昭和61年)完成以来、何度も足を運んだことがありますが、イノシシに出会ったのは初めてです。

高尾山で出会ったイノシシは迫力があって、ちょっと怖いくらいでした。まさに、猪突猛進という感じでした。猪突猛進を辞書等で引くと、『向こう見ずに、猛然と突き進むこと』と書いてあります。あまり良い使い方はされません。『動物のイノシシの行動が由来』とも書かれています。しかし、誤解だそうです。

『動物 イノシシ 猪突猛進しない 違う』で、ネット検索すると、
『イノシシは本当に猪突猛進するのか実験してみました。直線コースの途中に障害物を置いて、後ろから追い立てたところ、何のためらいもなく障害物を避け、突っ切ってしまいました。今度は向かってくるイノシシの目の前でワンタッチ傘を開いてみました。すると、傘が開いた瞬間、イノシシは急ブレーキをかけUターンしたのです。イノシシは向こう見ずどころか、ちゃんと考えて行動していたのです。』

『イノシシはとても臆病で繊細です。走る時は怖くてパニックになって逃げているだけで、普段はめったに走りません。人がイノシシの姿を目にするのは狩猟の時が多いので、【猪突猛進】は、あまりの怖さに方向が分からなくなって走る様子を誤解して付けられた言葉だろう。』
などの記事があります。確かに、高尾山のイノシシたちも、前に木があり枝があり、まっすぐ走るのは無理だったろうと思います。

イノシシに対する誤解は、猪突猛進のほかにも『イノシシ武者(深く考えず勇ましいだけの武者)』などがあります。イノシシ年生まれの私としては、イノシシに対する誤解が解ければいいなと思います。ただ、誤解は解けても、イノシシはとても臆病と言われているのが、イノシシ年生まれはとても臆病と言われているようで・・・。
(としひさ)

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