保護観察

としひさより

担当している保護観察対象者の保護観察期間が終了しました。

なぜこんなに真面目で前向きな子が犯罪・非行の範疇にいるのか不思議でした。月2回の面接も、遅刻したのは1年間で1回だけ、その1回の遅刻も仕方ないと思える理由からでした。

面接、最後の日、「よく頑張ったね」と声をかけました。あまりうれしそうではありませんでした。理由は分かっていました。彼はとても話し好きな子です。保護面接期間が終了し、自分の話を聞いてくれる人が1人いなくなることが寂しいと、以前話してくれたことがありました。面接がもう1回あるとも思っていたようです。

話を聞いてもらいたいというのは、わたしにもある気持ち・欲求です。欲望・欲求について、わたしなりの考えを話してみました。

「人間には7つの欲望・欲求があると言われているんだって。食欲もその1つ。お腹いっぱいになればなくなるし、減ればまた出てくる。(中略)わたしは、欲望をなくすことはできないと思ってて、これはわたしの勝手な思い込みだけど、どんなに修業を積んだ人でも欲望を消すことはできないと、わたしは思ってる。ただ抑えることは、ある程度はできるんじゃないかな。練習で出来るようになると思うよ。これから抑える練習、してね。わたしもいま練習中」

保護観察期間の終了を1つの契機として、自分の力でしっかりと自立してくれることを願ってやみません。
(としひさ)

タイトルとURLをコピーしました