心の休憩所

としひさより

仕事部屋の雑誌や本の山を、「そろそろ整理しなさい」と自分で自分に言い聞かせつつ、片づけを始めました。

いつでも読めるように手元に置いておきたい雑誌が1冊、本が2冊、山の中にあります。題名に目を走らせながら、手を動かしていました。5分位たった頃、1冊見つかりました。『社会を明るくする運動作文コンテスト 入賞作文集』という雑誌です。

社会を明るくする運動というのは、犯罪や非行を防止し、犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支える運動のことです。わたしも、保護司として運動に関わらせていただいています。

その運動の一環として、小、中学生の作文コンテストが行われます。子どもたちが書いた作文を読むたびに『子どもたち、すごいなあ』と思います。

例えば『心の休けい所』という、当時小学校6年生の女の子が書いた作文があります。
作文の書き出しは、『「社会を明るくする運動」私は、そう言われても身近なこととして考えられず、悩みました』という文で始まります。
女の子は疑問を持ちました。『・・どうして非行に走るのか。私には分からず「非行」の文字とにらめっこの毎日でした。その中で、疑問に思ったことがあります。なぜ「非行に走る」というのでしょうか。なぜ「走る」という表現をするのかとても不思議に思いました・・』。

女の子はお母さんに疑問を話します。『非行に走る』について2人で会話を重ねていきます。いよいよ、『心の休けい所』の話になります。『・・「ずっと走っていたら、どう?」母にそう聞かれたので、「疲れるな。休みたくなるよ」と答えました。「そうね。休けいできるところが必要よね」そう母に言われ考えました。止まりたくても止まれない人もいるかもしれません。「走ってきて疲れたよね」と受け止めてくれる人を探しているかもしれません。安心して休める場所、休める時間が必要です。それでも、またそこから逃げよう、走りだそうとする人がいるかと思います。そんな時は、あなたはここで休んでいて大丈夫、走る必要なんかないと伝える人がいると良いと思います。・・』

読めば読むほど深い文章だと思います。心の休けい所こそ、保護司に求められる大事な役割の1つではないか、と思います。努力しなければならない、と思いました。作文の最後は、『人との関わり方を改めて考えるきっかけとなった貴重な時間となりました』と、結ばれています。

私にとっても、担当する対象者との関わり方を、改めて考えさせられる貴重な、大事な時間となりました。
(としひさ)

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