国民健康保険制度

としひさより

ずいぶん前になりますが、「国民健康保険制度のうつりかわり』について調べたことがあります。国民皆保険(こくみんかいほけん)に、危機感をもったのがきっかけでした。

日本の医療保険の始まりは、1927年ころと書いてありました。工場や会社の従業員に対する健康保険でした。その他の人たちは医療保険がないため、医療費の全額を自分で負担していました。医療を受けることに、格差がありました。

1938年、旧国民健康法が制定され、組合を作って国民健康保険を運営できるようになりました。この時は、今のように市町村が運営するものではありませんでしたが、国の主導により、全市町村の95%に組合が設立されました(~1943年)。

第2次世界大戦後(1945年~)、保険財政は危機的な状況となり、事業を休廃止する組合が続出しました。

その後、国民健康保険制度の再建が計られ、1948年、原則として市町村公営になりました。翌年(1949年)2月末の公営化率は全市町村の41%でした。

1955年以降になると、すべての国民に対し、医療における機会均等を求める『声』が高まりました。当時、総人口約9,800万人のうち、約3,000万人が医療保険未加入者でした。健康保険と国民健康保険の両面から、この人たちを、制度の中に組み入れることが緊急の課題とされました。

国(厚生省)は1957年、1957年~1960年の4か年を計画期間とする『国民健康保険全国普及4か年計画』を策定しました。1958年国民健康保険法の全面改正を行い、1961年4月全市町村で公営の国民健康保険がはじまり、国民皆保険が達成されました。

・・・国民皆保険制度の破綻が危惧されるようになりました。2015年『持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律』が成立しました。この法律により、市町村ではなく、県が財政運営の責任主体となりました。制度の安定化を目指すため、とされています。

世界から「奇跡の制度」と称される日本の皆保険制度です。維持していくための制度設計(システム)は、当然考えていかなければなりません。維持していくために、わたし自身、ひとりの市民として何ができるか、何をしなければならないか、今一度考えてみなければ、と思います。
(としひさ)

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