おととい観ていた番組の続きを、きのうの夜、ご飯を待っている間に観ました。わずかな時間で、チョコチョコ観るので、8月26日に録画した番組が、まだ見終わっていません。録画したのは、BSプレミアム『謎と神秘の巨石文明モアイとイースター島△21のミステリー徹底解明』という番組です。イースター島と巨大な石像・モアイについて、番組名通り『21のなぞ』を、次々に徹底解明していく番組です。きのうは、15番目のなぞ『モアイはなぜ巨大化したのか』を観ました。なぞの答えは、『モアイをどんどん大きくしていくことが、首長の権威を誇示するためには効果的だった』でした。
夜ご飯が終わり、番組について思い返すともなく思い出していました。ふと、議長時代のあまり思い出したくない記憶がよみがえってきました。番組の『権威』という言葉に反応したのだと思います。
よみがえった記憶は、議長在任当時のある日の出来事でした。議会事務局の職員さんと、立ち話をしていた時のことです。その職員さんから、「仲道議員は議長になってから人の話を聞かなくなった」と言われました。彼は、わたしが信頼している職員です。彼もわたしを信頼してくれている、と思っています。年齢は、わたしよりずっと下です。『人の話を聞かなくなった?そんなことはない』と思いました。
思った通りに「そんなことは、ない」と口にしました。彼は、少し笑顔を浮かべたまま、それでもハッキリと「イイエ、そんなことは、あります」と返してきました。ちょっと周りを見回してみました。2人で話をしていたのは、議会事務局の、その職員の机の前です。びっくりした顔、興味津々といった顔、周りにいた議会事務局の職員が、みんな耳をそばだてて聞いていました。
『あったかな?』と少し考えてから、「イイヤない」と言うと「イイエあります」とまた返してきました。笑顔はありますが目は真剣です。『これは真剣に考えないといけないな』と思いました。取り敢えず、わたしも笑顔で「よ~し覚えとけ」と、訳の分からない捨てゼリフを残して、議長室に戻りました。
戻ってから、我が身を振り返ってみました。・・・思いつくことがありません。今考えても、『人の話を聞かなかったことはない』という思いの方が強くあります。ただ、『思いつく事がない』と思ったことが問題だったと、今は思っています。
議会の中で、一番権威・権限があるのは議長です。知らない間に『権威』にどっぷりと浸かっていたのだと思います。今から先、議長のような大きな権限を持つことは、もうないと思います。が、『権威に溺れない』は、気を付けていなければならないことだ、と思っています。
「人の話を聞かなくなった」と言ってくれた職員は、今は他の部署に居ます。彼との信頼関係は、今も続いていると、わたしは思っています(笑顔)。
(としひさ)