母校・大分市立明治小学校の校歌は、『高尾の山の松みどり 天然塚のこけ青し』で始まります。歌詞に出てくる『天然塚』は、学校から自転車で5分くらいの距離にある小高い丘の名前です。丘の中腹には墓標(ぼひょう*1)が150基立っています。先の大戦でお亡くなりになった方々のお墓です。きょう墓標の前で、明治遺族会主催の「戦没者追悼法要」が営まれました。わたしも参列させていただきました。
席に着くと、少し離れたところに小学4年生くらいの男の子が座っていました。オトナに混じって子どもは彼1人でした。法要の間、ジッと和尚さんの読経の声に耳を傾けています。感心しながら彼を見ていたので、来賓あいさつの中で思わず彼のことが言葉に出てしまいました。「・・お亡くなりになった方への一番の御供養は、その方のことを忘れないでいることだそうです。きょうは小学生の男の子も参列してくれています。日本で戦争があったこと、そして多くの尊い命が奪われたことを風化させず、彼とともに語り継いでいきたいと思います」
男の子は、いきなり自分のことが話題になったのでキョトンとした顔をしていました。つい言葉にしてしまいましたが、きょうの法要が彼にとって少しでも記憶に残る出来事になってくれればと思います。
(としひさ)
(*1)墓標: お墓であるしるしとして建てる柱や石。