鶴崎詩道会 発会65周年記念大会

としひさより

わたしも会員として活動している淡窓伝光霊流鶴崎詩道会の、『発会65周年記念大会』がきょう開催されました。

ところが、なんと、大会の途中で緞帳(どんちょう)が上がらないトラブルがあり、ステージが使えなくなってしまいました。原因は特殊な機械の故障と思われ、素人ではどうもしようもなく、機械を設置した専門業者に連絡を取り、大至急の修理をお願いすることにしました。日曜日です。会社は休みです。中々連絡が取れません。

午前中のトラブル後のプログラムは、独吟が11人でした。一人ずつの出演なので、緞帳(どんちょう)が上がらなくても、緞帳(どんちょう)の前のスペースで何とか午前中のプログラムは続けることができました。問題は午後です。

午後からは、ステージの『広さ』が必要になるプログラムが続きます。ステージが使えなければ下で演じるしかありません。ステージの上と下では、演じる方も観る方も盛り上がり、完成度が全く違います。

機械を設置した業者は、機械が特殊なため、県外の業者でした。すぐに県外から駆けつけたとしても、午後のプログラムの開始時刻には到底間に合いません。午後のプログラムに間に合わせるためには、県外の業者と連絡が取れたあと、さらに県外の業者から大分市内の業者に連絡を取ってもらい、休日返上で大至急会場に駆けつけてもらう必要がありました。間に合わないと思いました。日曜日です。午後のプログラムに間に合う可能性は、ほぼないと思われました。

切迫した状況の中、鶴崎詩道会の会場責任者お二人の行動は素早く、決断とその後の行動は本当に見事でした。見ていて惚れ惚れするような凄い対応でした。

トラブル発生から10分後、県外業者に連絡が取れないと分かった時点で、午後の設定をステージの上から下に降ろす決断をし、指示を出し始めました。大会自体の成功は、勿論お二人の大きな願いの1つですが、午後のプログラムの中にお二人が文字通り心血を注いだプログラムがありました。その作品を演じる人たちの気持ちを考えれば、お二人の決断は苦渋の選択であったと思います。それでもわたしが、「まだ連絡が取れない」と報告に行った時、お二人のうちお一人は、顔色一つ変えず、気丈に「わかりました。大丈夫です」、 もうお一人は、ニコッと笑って、「・・大丈夫です」と言ってくれました。わたしが焦らないよう、配慮してくれた笑顔だと思いました。すごい笑顔だと思いました。お二人の気持ちを考えると泣きそうになりました。

トラブルは、午後のプログラムが始まる直前、県外業者が連絡をつけてくれた大分市内の業者が奇跡的に駆け付け、修理の結果、何とか緞帳(どんちょう)を上げ、下げられない状態ではありますがステージの『広さ』は確保することができ、予定時間通り午後のプログラムを始めることができました。

日曜日、業者さんを追っかけ、追っかけした経緯を考えると奇跡的なステージ回復でした。玄関を入って来た業者さんの姿を見た時は夢かと思いました。

会場責任者のお二人をはじめ、大会関係者の思いが通じ、大会も大成功に終わり、鶴崎詩道会会員の1人として思いっきりホッとした1日でした。
(としひさ)

タイトルとURLをコピーしました