『教員免許 更新制(*1)を廃止し、新たな研修制度の創設を求める』提言が、文部科学省の諮問機関である『中央教育審議会(中教審)』から、文部科学大臣に提出されました。
提言を受け、文部科学省は、「2022年度(令和4年度)末での教員免許 更新制・廃止を目指す」としました。新研修制度の創設も検討されています。
ポイントは、一連の流れが、教職員の資質向上、指導力向上につながるか否かです。
中教審が教員免許 更新制・廃止の結論を出した理由は、
①『新たな教師の学びの姿(*2)』を実現するための方策を講ずることにより、教員免許 更新制が制度的に担保してきたものは総じて代替できる状況が生じる。
②教員免許更新制は、『新たな教師の学びの姿』を実現する上で、阻害要因となると考えざるを得ない (*3)
などとしています。
わたしも理由には納得できます。大事なことは、今後の新制度の行方です。
また、今回の提言は、文部科学大臣の、『令和の日本型学校教育を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について』と題する諮問を受けてのものでした。
中教審が諮問された項目は5つです。
①教師に求められる資質能力の再定義
②多様な専門性を有する質の高い教職員集団の在り方
③教員免許の在り方・教員免許更新制の抜本的な見直し
④教員養成大学・学部、教職大学院の機能強化・高度化
⑤教師を支える環境整備
この内、今回提言がまとめられた『③ 教員免許更新制の抜本的な見直し』については、先行して結論を出すことが求められていました。
(理由)教師が多忙な中で、経済的・物理的な負担感が生じているとの声や、臨時的任用教員等の人材確保に影響を与えているという声があることなど。
今後まとめられていく予定の他の項目についても、いずれも教育の根幹にかかわる大事な問題です。今後とも、提言、そして提言を受けた国の動向を注視し、必要な要望等、国に上げていかなければなりません。
皆さまの『お声』を、議会にもお寄せいただければと思います。
(としひさ)
(*1) 【教員免許 更新制】 教員免許に10年間の有効期限設ける制度。期限前の2年間で、30時間以上の講習を受けなければならない。
(*2) 【新たな教師の学びの姿】
(令和の日本型学校教育を担う教師の在り方特別部会 審議まとめ案より一部抜粋)
・教師はそもそも学び続ける存在であることが強く期待されている
・時代の変化が大きくなる中で常に学び続けなければならない
・主体的に学び続ける教師の姿は、生徒児童にとっても重要なロールモデル(お手本になる人物)
など
(*3) 【教員免許更新制は、『新たな教師の学びの姿』を実現する上で、阻害要因となると考えざるを得ない】
(令和の日本型学校教育を担う教師の在り方特別部会 審議まとめ案より一部抜粋)
・教員免許更新制については、最新の知識技能の習得という成果が効率的に上がっていると判断することは慎重にならざるを得ない。
・教員免許更新制に起因する負担が教師や管理職等に生じている。
・教員免許更新制が、教師の人材確保に不透明感をもたらしている。
など
*教職員の指導力向上に触れた過去のブログ
10.16『全国学力・学習状況調査』9.07『ライフワーク』