若者の主権者意識

としひさより

『なぜ、日本の若者は世界の若者と異なり、主権者意識が低いのか?』は、「議員の学校(*1)」での講義テーマの1つでした。講義の内容をわたしなりにまとめてみました。

1.日本若者協議会の調査 調査対象:高校生・教員
『 児童生徒が声を上げて、学校(例えば校則、学校行事、授業内容、部活動など)が変わると思うか? 』
思わない+どちらかというと思わない=生徒68% 教員61%

2.講師の体験談
2つの大学で、6年間、学生たちに聞き取り調査をしてきた。その結果、高校までの学校体験で、「 校則や授業を変えて欲しいと思ったことがあった 」と多くの学生が答えた。
〇 その学生たちの声
・そうした要望を学校から聞かれたことがない。
・変わるものだと思ったこともない。
・声を上げても変わらないと思っている。
〇 校則を少しでも変えたいと生徒会役員になったことのある学生たちの声
・学生時代に声を上げたが、挫折感だけ味わった。
・学生時代に、努力しても変わらないことを学んだ。
・民主主義は理想、現実は違うと思う。
・日本は変わらないと思っている。

3.新教育基本法(2006年)に関する講師の考察
① 「国を愛する態度を養う」とともに「規律を重んずる教育(第6条)」が定められた。
② 翌年、文科省が「問題行動を起こす児童生徒」には「毅然とした指導を行うよう」通知した。
③ 当時の文科省副大臣が奨励した「ゼロ・トレランス」が広がった。
*ゼロ・トレランス:1990年代、アメリカで始まった教育方針の1つ。寛容度ゼロを「良し」とし、細部まで罰則を定め、違反した場合は厳密に処分を行う。
④「生徒指導統一基準」という一律的な生徒指導により、自由がなくなってきている。
⑤ 自己肯定感の喪失。

講師の結論としては
『 主権者意識を高くするためには、こども基本法をもとに、子どもを主人公にした教育に変えていかなければならない と思います。』

わたしには「毅然とした指導」ではなく「行き過ぎた指導」としか思えない事例が最近あり、学校長、教頭、生徒指導主任と議論したことがあります。
わたしに出来ること、大分市議会に出来ること、しなければならないことを考えていきたいと思います。
(としひさ)

(*1)議員の学校: NPO法人 多摩住民自治研究所が主催する講座です。どなたでも受講できます。

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