援農かっせ隊

としひさより

手元に、『いい汗流してみませんか? 出会い・発見・感動  援農かっせ隊募集中』という、パンフレットがあります。大分市農林水産部農政課が作ったものです。
援農かっせ隊は、農繁期に人手が足りない農家と、「農作業を体験したい」「身体を動かしたい」という方を結び付ける、農業ボランティア制度です。2020年度(令和2年度)は、398人の方に援農活動をしていただきました。
9月議会の決算審査・事務事業評価(ブログ9.16)において、『都市・農村交流による地域活性化をさらに図ること・継続』と、議会が評価した事業です。ただ、現状では、受け入れ側の準備等に、経費や労力がかかることが課題となっています。

我が家も、わたしが中学生の頃までは、兼業農家でした。小、中学校が休みの日など、畦(あぜ*1)づくり、田植え、草取り、稲刈り等、手伝っていました。
稲刈りでは、楽しい遊びもありました。1枚の田んぼを刈る際、「その田んぼの最後の1株を刈った人が、その田んぼ全部を刈ったことになる」という、遊びです。刈っていない稲を寝かせて、刈った稲で隠しておきます。誰かが「オレが最後」と言って稲を刈ります。すかさず、わたしが、隠していた稲を立てて「おれが最後」とやります。すると、また違う誰かが「イイヤ、俺が最後」と言って、隠していた稲を出して「最後」をかっさらっていきます。
この遊びは、「最後」と言って稲を刈ってから次の「最後」まで、時間が掛かり過ぎるとアウトです。隠していた稲を出す、タイミングが勝負です。子どもたちだけの遊びではありません。おじさんたちも一緒になって、真剣な顔でやっていました(笑)。
或るおじさんの得意技は、「最後」と言って、稲を刈ったふりをすることです。おじさんの後に、わたしが「オレが最後」と言って刈ると、「本当は刈ってなかったよぉ~。これが本当の最後」、と言っておじさんに「最後」を取られてしまいました。おとなの駆け引きに、ボー然とし、悔しい思いをしたことも、1度や2度ではありませんが、今では楽しい思い出です。みんなで食べる、“こびり(*2)”にも、楽しい思い出がたくさんあります。

タイムマシンで、1日だけ過去に戻れるとしたら、稲刈りをしたあの日か、大学3年生の、ある日の大学の体育館に戻りたいと思います。
(としひさ)

(*1)畦(あぜ):田と田の間に土を盛って作った堤。
(*2)こびり:標準語では“間食”のことです。午後3時くらいになると手を休め、田んぼの横を流れている水路で汚れた手を洗い、みんなで、おにぎりやおやつを食べていました。

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