学校ってなんだ?

としひさより

「叱る(しかる)こと自体が目的化している先生がいる。なんでもかんでも叱る、なんでもかんでも怒鳴りまくる先生がいる」
カーラジオから流れて来た、現職の校長先生の言葉です。現職の校長先生なのにこんなこと言っていいのか?と少し驚きました。

この番組のテーマは、『当たり前を変えると組織は変わる』でした。わたしなりに校長先生の話を理解しました。以下のようになりました。
「何のために叱るのか、目的を見失わないようにしなければならない。言われたことしかできない教員組織は、何のために叱るのか考えなくなってしまう。まず、第一に大事なことは、教員の意識を変えていく、教員の意識改革が一番大事。自分の中で当たり前と思っていることが、当たり前ではないことに気づいてもらわないといけない」

聞き手の方が、校長先生に質問します。
「教員の意識を変えるために、具体的に何をされたのですか?」
校長先生の答え、
「叱ること自体が目的化しないよう、みんなで確認作業をしました。手始めに、𠮟る場面のリストを作り、何が一番叱らなければいけないことなのか、一人ひとり、叱る優先順位をつけてみました」

その、リストは以下の通りです。実際には13項目くらいあった内の7つだそうです。
想定される叱る場面
1.コンビニで万引きをした。
2.学校で授業中にお菓子を食べた。
3.掃除係をさぼった。
4.授業中にマンガを読んだ。
5.4階のベランダの柵にまたがって遊んだ。
6.おまえは障がい者と馬鹿にした。
7.違反の服装で登校した。
優先順位の高いものに〇を付ける。〇はいくつでもいいそうです。

校長先生の答え
「優先順位が最も高いのは5番。命の危険がある。一番大事なのは命。次に6番、1番。犯罪や人権に関することも優先順位は高い」
わたしは1番大事な5番をはずしてしまいました。
「教員間でも、あまりにも差があり、ガクゼンとする教員もいました。そんなこと考えたことがなかったからです。命や犯罪、人権に比べ、どうでもいいことと言ったら語弊はあるが、その他のことはあまりにも差があるということが見えてきました」
とのことでした。

この校長先生のいた中学校では、その後教員の叱り方が変わってきたそうです。結果的に、数年後、校則がなくなった。次に赴任した学校でも、2時間かかっていた職員会議が15分になったそうです。

20分くらいの番組でした。興味深く聞かせてもらいました。本も出されているとのことでした。議会の帰り、県立図書館で1冊借りて帰りました。夜、パラパラとめくってみました。エッと思うようなことが書かれていました。『中間・期末テスト全廃』『固定担任制の廃止』『宿題を出さない』『服装頭髪指導を行わない』『運動会のクラス対抗も生徒自身が廃止―誰もが楽しむために』等々。いずれも、当たり前と思っていたことがなくなって(変わって)いました。

いくつか気になりました。
①周りの中学には波及しなかったのか?
②保護者の反応は?
③教育委員会の対応は?
④社会の反応は?

県立図書館の本は、最長1か月で返却手続きをしなければなりません。じっくり読み込むため、書店に取り寄せをお願いしました。
この本を入り口として、議員を志した原点(ブログR3.9.7)である教育課題の解決について、これまでと違う視点でアプローチしてみようと思います。テーマの中心は『学校は何のためにあるのか。学校ってなんだ』です。
(としひさ)

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