顔を覚える

としひさより

今年2月に行われた『大分市議会議員選挙』でのことです。

その日選挙カーで回った地域には、車では入っていけない狭い路地が何本かありました。車を降り、15~20分ほど路地の中を自分の足で走り回りました。
「ナカミチです」と大声を張り上げながら走っていると、畑の方からおばあちゃんが降りて来ていました。急いで近づき、ご挨拶させていただきました。すると、おばあちゃんから、ものすごい剣幕で言葉が返ってきました。「あんた、この前、竹町ですれ違うた時、知らん顔しちょった。選挙ん時だけペコペコしてもつまらんで」と、にらみつけるようにして、行ってしまわれました。
突然のことで、なんと言えばいいのか、言葉を見つけられませんでした。あわてて記憶をたどりました。竹町で見かけた覚えも、すれ違った覚えもありません。まして記憶の中では、その日初めてお目にかかるおばあちゃんでした。
『もしかしたら前回の選挙で出会っていたのかもしれない。おばあちゃんは私のことを覚えていてくれていたのに、私は忘れてしまっていたのか?』という思いが湧いてきました。もしそうなら、申し訳ないことです。少し苦い思いをしながら、選挙カーに戻りました。

きょう、あの日の苦い思い出がよみがえって来たのは、録画していた『ヒューマニエンス』という番組を観たからでした。
番組の中に、『多くの顔を覚える!脳の戦略』というコーナーがありました。
顔を覚える脳の仕組みについて、科学的説明があったあと、進行役のアナウンサーさんから「顔を覚える人と覚えられない人の違いは?」との問いが発せられました。まさにこの番組で、わたしが一番知りたかったことでした。
番組の答えは、「興味を持ってこの人たちを知りたいか?・・気持ちの距離感が記憶に関係する」というものでした。議員にとって大事な能力、『顔と名前を覚える能力』にヒントをもらったような気がしました。
(としひさ)

*過去に、『ヒューマニエンス』という番組について触れたブログ
6.13『こころの散歩』6.27『うんどんこん』10.11『怒りのコントロール
11.2『親性(おやせい)

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